今秋、西武が、東急と小田急から通勤型電車(計100両)を有償で譲り受けるとの報道がありました。この件に関しては、既に各所で語り尽くされた感があり、この場でコメントをする気はありません。とはいえ、少し期待を持つ件があります。
それは、譲渡車総数の内の4割が鋼製車の小田急8000形だからです。西武で運用するにあたっては車体デザインの変更が必須ですが、小田急の白ベースの車体にテープ貼りをして営業運転をするとは考えにくく、車体全体を塗装し直すでしょう。
可能性は低いでしょうが、8000形が西武伝統のレモンイエロー1色になる姿を期待しています。
黄色(レモンイエロー)は、西武が1969年に「完全新性能車」を導入して以来、原則として鋼製の通勤電車には、必ず採用してきたカラーです。
1992年にステンレス車体の6000系を導入して以後は、鋼製車を除いて、新型通勤型電車の車体色は、西武のCIカラーになりました。しかし、沿線の利用客のみならず、世間全体で「西武の黄色」を支持する声が多いのは事実です。
西武も「黄色い電車」の人気度の高さを認識しており、新製増備を進めている車両のドア付近のアクセントカラーとして、部分的に黄色が採用されています。これは、単にデザイン上の配慮という訳ではなく、「西武の黄色」を継承したいという意思によるものだそうです。
以前、西武線のホームで電車を待っていた際、就学前と思しき子供が、黄色い電車の到着を期待していたようで、傍にいたお父さんが「黄色い電車じゃなかったね。普通の電車だ」(その時の電車は「スマイルトレイン」30000系でした)というシーンに遭遇したこともありました。現在の西武は、CIカラーの浸透を第一としており、新たに「黄色い電車」が登場する可能性は低いでしょう。とはいえ、譲渡車の内、せめて1編成でも黄色にしてくれれば、と思っています。
話がそれますが、東急車の9000/9020系は、ロングシート(車端部のクロスシートの処置は不明)のまま秩父線に導入されるようです。置き換え対象の4000系は、2扉セミクロス車でトイレ付なので、日中や土休日は、大幅なサービスダウンとなるでしょう。
秩父線で運用を開始するにあたって、暖房の強化やシートモケットの張替えなどの工事は行われるでしょうが、居住性の点でマイナス評価を受けそうな気がします。逆に、9000/9020系の導入線区となっている狭山線や多摩湖線では、車端部のクロスシートがそのままであれば、日中や土休日は乗客側から評価されるかもしれません。
Sonyα550、Tokina AT-X340 AF 100-300mmF4、1/500、F5、ISO200