以前から、機会があれば入手したいと思っていたレンズですが、今年の春に、状態の良好な個体を入手できたので、先日試写してきました。以前に、AFに対応した後継機種(AT-X340AF 100-300mm F4)よりも高く評価する方に出会ったこともありました。
レンズ内部にカビ、クモリは見当たらず、コーティングも劣化していない様子です。
焦点距離280mm付近、絞り開放で撮影したカットです。ピント面はシャープで、ボケもまずまずといった印象を受けます。逆光性能も、昭和50年代の3倍ズームとしてはなかなかのものです。但し、色乗りがAFのモデルに全く及ばず、積極的に持ち出して使う気にはなれません。寸法、質量に関しては、AFのモデルとは比較にならないほど魅力的なのですが…
この撮影の前に、同一スペックのAFモデルであるTokinaとSIGMA(非DGタイプ)との比較撮影をしたことがあります。その時の結果を紹介します。
夕刻の撮影なので、光線の温度や影の出方に若干差がありますが、比較にはまず支障なしと考えます。いずれも、焦点距離300mm、F4での撮影です。(画面右側の黒い箇所は、建物のアウトフォーカス部です)
Tokina AT-X100 100-300mmF4
SONY α7、K&F Concept レンズアダプターで撮影。1/800、F4、ISO100
AFの2機種とは完全に異なる色再現性です。画面中央部のシャープネスは、AFの2機種と遜色ない印象です。周辺光量落ちが少し目立ちます。
SIGMA APO 100-300F4 EX
SONY α7+ LA-EA4で撮影。1/800、F4、ISO100
抜けが良く、クリアな印象を受けます。非DGタイプですが、DGタイプと基本的な写りの具合は同じだと思います。
Tokina AT-X340AF 100-300mm F4(II)
中央部部分拡大
SONY α7+ LA-EA4で撮影。1/800、F4、ISO100
主観ですが、SIGMA APO 100-300F4 EXよりも色乗りは上のように感じます。画面中央部のシャープネスもSIGMAと同等であるようです。
今回、鉄道写真で初の実用運用(?)に就いたTokina AT-X100 100-300mmF4ですが、やはり予備機材としての位置付けになるでしょう。携行性の高さは魅力ですが…
ちなみに、このレンズでのマクロ撮影を多用されていた著名なプロの方がいらっしゃいます。その手法が掲載された雑誌を、絶版本ですが紹介します。(古本店でのラベルがあるのはご愛嬌ということで…)